30代女性の急性腰痛改善事例:椎間関節の開きすぎに対処

2024.08.29

年代/性別/職業

30代 / 女性

初診時の状態

自宅で炬燵に入りながらシフト作成をしていて立ち上がろうとした際から腰の痛みを感じたとのこと。特に前屈時の痛みが顕著で、かがもうとしただけで痛みが生じた。

後屈の可動域も制限されていたが、痛みはなし。側屈や回旋時の痛みはなく、ケンプ、SLR、FNSテストも全て陰性。腰椎の椎間関節を閉じる力を加えると顕著な抵抗感があった。

見立て/治療計画

炬燵に長時間座っていたために椎間関節に開く力が加わりすぎて、閉じることができなくなっていると判断。疼痛消失を目標に1〜2週間の治療計画を立てた。

施術内容/経過

急性期の施術

  • 背部下B+S+A(腰部、背部はDiscで閉じる方向に)
  • 背部下B+S+A(腰部、背部はMETで閉じる方向に)

指導内容

  • 最初の1週間:床での座位やソファなど、腰椎後屈を矯正するものの使用を制限
  • 半月後:前屈時痛が治療後に消失したため、大腰筋ストレッチを指導

経過

治療後、前屈時の痛みと後屈の制限は軽減した。半月経つまでは治療前に前屈をすると痛みが残っていましたが、前屈時の痛みが消失し、後屈の可動域制限も治療後に消失した。

ただし、忙しい日の終わりにコルセットを取るとしんどさを感じるとのことだったので元々生活習慣が良くなく、ソファで寝落ちしたり、床で寝てしまうことがあったため、再発予防のために継続的な治療が必要とされた。

まとめ

今回の急性腰痛は、長時間の座位により椎間関節が開きすぎたことが原因。適切な治療と指導により、前屈時の痛みと後屈の制限は改善された。再発予防のため、患者様には生活習慣の見直しと継続的な治療を行っていく。

用語解説

  • 椎間関節:椎骨の間にある関節で、脊椎の動きを支える役割を果たします。
  • ケンプテスト:椎間板ヘルニアの診断に用いるテスト。
  • SLRテスト:下肢伸展挙上テスト。坐骨神経痛の診断に用いる。
  • FNSテスト:大腿神経伸展テスト。大腿神経痛の診断に用いる。
  • Disc:椎間板。脊椎の骨と骨の間にある軟骨組織。
  • MET:筋肉エネルギーテクニック。筋肉の緊張を緩めるための治療法。