五十肩の改善:50代女性の治療体験記

2024.09.03

患者のプロフィール

  • 50代、女性
  • 日常生活の中で、肩の動きに制限を感じ、家事などの生活動作が辛い状態

症状の詳細

左肩に強い痛みと動きの制限を抱えており、特に肩を挙げるときや外へ腕を動かすときに痛みが強くなり、日常生活での様々な動作に影響が出ていました。

初診時の状態

最初に来院された際には、左肩の炎症が特に顕著で、激痛を抱え動きの制限が強い状態でした。五十肩の炎症期の典型的な症状を示していました。

見立て

患者さんの五十肩は炎症期を迎えており、炎症の沈静化が最優先。

炎症期が過ぎ、拘縮期に移行した際にベリープレステストなどの徒手検査を行い、肩甲下筋や上腕二頭筋や小円筋などの筋肉の拘縮、及びトリガーポイントによる疼痛が可動域制限の原因になっていた。

施術内容

左肩の筋肉の弛緩と関節の可動性向上を目的とした手技療法を中心に拘縮改善目的の振り子運動エクササイズを行う。

特に、肩甲下筋や上腕二頭筋や小円筋に焦点を当て、これらの筋肉の緊張緩和、血流改善を図る。

施術後の結果

このアプローチにより、肩の痛みが大きく軽減し、動きも以前よりかなりスムーズになりました。通院3ヶ月で肩の挙上や外転の動作が120°まで改善し、日常生活での負担が減少しました。

まとめ/結論

この症例から

・五十肩における適切な治療方法の選択をするために徒手検査で、原因となる筋肉を特定し、治療を行うことが重要

・拘縮期を見据えた継続的な治療を行ったことで、少しずつ疼痛や可動域が改善に向かい、運動機能障害が残らずに日常生活の復帰を果たせた

用語解説

※五十肩とは・・・『肩関節周囲炎』と呼ばれ、肩の動きが痛くて制限される状態です。40代から60代によく見られ、腕を挙げたり回したりするのが難しくなります。原因ははっきりしていませんが、加齢や筋肉の使い過ぎが関係していると考えられています。

※ベリープレステストとは・・・肩甲下筋の機能低下を確認するためのテストです。

肘を90度に曲げて手のひらをお腹に押し付けます。この動作で痛みが出たり、力が十分に入らなかったりする場合、肩甲下筋の機能低下が疑われます。

※振り子運動エクササイズとは・・・肩の痛みを和らげるための簡単な運動です。患者は身体を前傾させ、リラックスした状態で患部の腕をゆっくり前後や円を描くように動かします。この運動は肩の可動域を広げ、痛みを軽減します。