肩関節周囲炎:転倒による悪化からの改善症例
年代/性別/職業
60代/女性/主婦
初診時の状態
2023年末から左肩に痛みが出現、2024年2月頃から夜間痛で眠れなくなる。
さらに初診時の10日前に土手を歩行中に転倒し手をついて悪化。
現在は腕を軽くあげようとしても体をうずくまるほど痛みが出てしまう
見立て/治療計画
手をついたことによる筋肉への突き上げ、2023年6月に腰椎圧迫骨折での長期臥床によって筋力低下及び短縮が生じ、棘下筋に伸長性の負荷がかかり悪化したと考える。
自動での可動域は不可。他動での可動域制限 挙上70度、外転45度、伸展30度
施術内容/経過
初診時には炎症の傾向が強かったためまずは周囲筋の緊張緩和をメインで行い。好転反応に注意しながら可動域改善を行った
2回目以降より左肩関節メインの治療に切り替えて、可動域を促すようにマワヒネリキを入れる
2ヶ月目:他動での可動域挙上120度、外転100度、伸展40度
自動運動 挙上100、外転100、伸展30と自力で動かせるようにもなり、また可動域も改善傾向が見られ夜間痛もなくなり睡眠が取れることにより、回復力にも繋がった
まとめ
初回から痛みからくる不安が強く、最初の1ヶ月目は治療後の好転反応が出やすかったが患者さんへの適切な説明と同意を繰り返しながら段階的な処方で回復が少しずつだが見られた。
現在では痛みが強くでるために控えていた飲酒もできるようになり、会話からも自然と笑みがでるような形になった。
用語解説
・腰椎圧迫骨折:腰の骨(腰椎)が潰れるように圧迫されて骨折する状態。
主に骨粗鬆症が原因で、特に高齢者に多く見られる。症状としては突然の腰痛があり、背中が曲がることもある。治療は通常、安静、痛み止め、コルセットの装着が中心で、重症の場合は手術が必要になることもあるため、早期の診断と適切な治療が回復を助ける。
・まわひねりき療法:体をひねる動作を通じて体のバランスを整える治療法。
施術者が患者の体を適切に操作し、筋肉や関節の緊張をほぐし、血液やリンパの流れを改善。これにより痛みや不調の緩和、姿勢の改善が期待できるとされていて。まわひねりき療法は、腰痛や肩こり、関節の問題など、さまざまな症状に対応するために用いられる。