足関節捻挫:30歳の足関節靭帯損傷改善事例

2024.09.03

患者のプロフィール

30代女性 主婦
年長さんのお子さんがいて卒園式を控えている

症状の詳細

受診日1週間前に階段を降りている際に内側をひねって負傷した。

その後に整形外科にてレントゲンを撮影したが骨折はなく、バンテージと消炎鎮痛剤の処置。

体重を乗せた際の痛みに加えて、歩行時の痛みを出しており日常生活に影響を大きく及ぼしている。

足関節の可動域にも制限がかかると共に内出血も著名にみられていた

初診時の状態

痛みを避けるために跛行がみられる。

足部全体に浮腫と足趾、足の内側、踵骨アキレス腱付着部に皮下出血が顕著にみられた。

前距腓靭帯、二分靭帯、遠位前脛腓靭帯の圧痛著明

踵腓靭帯圧痛、前距腓靭帯部陥凹触知、足根洞圧痛はみられなかった

徒手検査にて内反ストレステスト、背屈テストは陽性。前方引き出しテスト陰性

見立て

右足関節捻挫Ⅱ~Ⅲ度損傷

前距腓靭帯損傷、遠位前脛腓靭帯損傷、二分靭帯損傷

踵骨内転強制した際に痛みはなかったので踵腓靭帯の損傷ないと考えており

疼痛著明のため筋スパズムにより不安定性が消失していると思われる

施術内容

初診時は浮腫と皮下出血が顕著のためにアイシング、マニュプレーションや超音波治療器を使用して軽減を図り、その後にテーピングとバンテージにて固定。

2日目は浮腫、皮下出血軽減の目的のために再度アイシング

また残存している内在筋活性化や可動域向上のために足趾MPまでの関節、筋トレーニングを実施

3日目〜4日目から浮腫軽減してきており、距腿関節を含めるリハビリメニュー増やして片足立ち実施。

施術後の結果

4日目には片足立ちの痛みがない状態で実施ができており、5日後のお子さんの卒園式には固定具がない状態で平地歩行や段差歩行が可能になっており参加することができた。

まとめ

この症例から

・靭帯損傷を伴う治療に関しては浮腫や皮下出血により阻害されることがあるので早期のRICE処置が必要

・運動機能の低下を防ぐべく、筋力トレーニングをいれることにより短期間での固定具の離脱が可能

用語解説

・マニュピレーション:マニュプレーションは手技療法の一つで、関節や筋肉の動きや位置を調整し、関節の可動域を改善し筋肉の緊張を緩和する。

効果として、関節の動きをスムーズにし、痛みや違和感を軽減し、血液循環を促進して治癒を促進する

・足関節の靭帯

・筋スパズム:自分の意思とは関係なく局所的に筋肉の収縮が起こっている状態