変形性股関節症の改善:50代女性の治療体験

2024.09.04

患者プロフィール

  • 年代:50代
  • 性別:女性
  • 職業:デスクワーク

初診時の状態

整形外科で変形性股関節症と診断され、股関節の痛みが強く、ソファーから立ち上がるのも困難な状態でした。歩行も難しく、毎日痛み止めを飲んで過ごしていました。さらに、腰の痛みも徐々に増してきていました。

見立てと治療計画

股関節の痛みにより、日常生活や歩行時に左股関節を庇うようになり、これが症状を悪化させていました。股関節を動かさない生活が続いたため、股関節周りの筋肉や大腰筋が硬直し、腰痛も引き起こしていました。

治療計画としては、まず股関節と腰の痛みを軽減し、日常生活での動作を楽にすることを目指しました。具体的には、股関節周りの筋肉をほぐし、全身の姿勢を改善し、痛みが軽減した段階で筋力トレーニングを取り入れ、再発を防ぐことを目標にしました。

施術内容と経過

まず、全身のバランスを整えるために、筋肉と骨格を調整しました。これにより、股関節や腰にかかる負荷を分散させました。次に、股関節周辺の筋肉をほぐして柔軟性を高め、痛みを軽減しました。また、腰の深部にある大腰筋をほぐして、腰痛を和らげました。

初めの1ヶ月間は、安静時の痛みが軽減し、痛み止めは酷い時のみ飲むようになりました。2〜3ヶ月目には、ほぼ痛み止めを飲まずに歩けるようになり、ソファーから立ち上がることも楽になりました。さらに、EMSトレーニング(楽トレ)を取り入れ、電気刺激で筋肉を強化し、正しい姿勢を維持できるようにしました。

現在では、階段の上り下りもできるようになり、旅行にも行けるまで回復しました。痛みがほとんどなくなり、日常生活を快適に過ごせるようになりました。これからも週一回のメンテナンスを続けていきます。

まとめ

この症例から、変形性股関節症による痛みや可動域制限が、適切な治療とトレーニングによって大幅に改善できることがわかります。初期の段階では、安静時の痛みを和らげることが最も重要です。その後、筋力を強化し、姿勢を改善することで、日常生活の質を向上させることができます。

股関節の痛みを庇うことで生じる二次的な問題(腰痛や姿勢の歪み)にも注意が必要です。全身のバランスを整える治療と、患者自身が継続的にトレーニングを行うことで、長期的な改善が期待できます。疲労が続くと症状が再発する可能性があるため、定期的なメンテナンスが重要です。

今回のケースでは、患者さんが痛み止めを減らし、日常生活での動作がスムーズになるまでに回復しました。治療者としては、患者さんが自己管理を続けられるよう、適切な指導とサポートを提供することが大切です。