肘関節:3歳小児肘関節痛
患者のプロフィール
3歳 女の子
症状の詳細
兄と遊んでいた際に左手を掴まれて引っ張られて以降、その後の痛みがあり泣き止まずに来院
初診時の状態
左肘関節には腫れや熱感はないが左手関節に腫れを感じる
お菓子を差し出してみると右手で取ろうとするが左手では取ろうとしなかった。
左に関しては挙上は負荷。
また左肘関節の触診や自他動的に動かそうとすると嫌がる兆候がみられたが前腕回内外は他動では可能、自動では動かしたがらない。
肘関節の屈伸可能、手関節底背屈可能だが回外は嫌がる。
橈骨頭に雑音、圧痛はなし。遠位橈尺関節に圧痛
見立て
肘関節屈伸可能と圧痛、腫脹部位から肘内障ではないと判断。
遠位橈尺関節背側部を兄が強く握り、引っ張ったことによる筋挫傷と瞬発的な牽引による驚きで一時的に動きを取りにくい状態になったのではないかと判断。
施術内容
問診時から初めて来た場所への不安感もあり、精神的にも緊張をしている状態。
会話をしてアイスブレイクを試みながら触診等を施すと次第に話してくれるようになったのをきっかけに状態の把握をした。
前腕伸筋群と前腕屈筋群の軽度押圧
その後に手関節押し込みにて施術を行う
施術後の結果
施術後は自動運動にて肘関節屈伸や前腕回内外可能
左手でおやつも取れるようになり、動きも軽快となった
受傷してまもないこともあり弾性包帯にて軽く固定をして終了
翌週に母親が来院時に確認をした際に腫脹や痛みを訴えることなく生活ができていることを確認できている
まとめ
未就学児の場合、突然起こった痛みに関して精神的な驚きも関与していることがわかった
また本人が未熟な分、痛みの判別に関して特に注力しておかなければ誤診をいだきかねないと感じる
用語解説
・肘内障:肘にある輪状靭帯と橈骨頭がはずれかけている、いわゆる亜脱臼を起こしている状態。
親が子供と手をつないで歩いている時に転倒しそうになりとっさに手を引っ張って起こるなど歩き始めから小学入学前までの子供に多い