膝の完全屈曲時の痛み:20代男性のケース

2024.09.04

年代/性別/職業

20代/男性

初診時の状態

右膝が完全に屈曲できないという深刻な状態で来院。膝を過度に屈曲すると右膝の裏に激しいツッパリ感があり、しゃがむことが困難。

日常生活においても、この症状が大きな障害となっていたので来院。

見立て/治療計画

アライメントにて矢状面: 猫背骨盤前型、前額面: 右上がり平行四辺形型

ぱっと見で異常はみられていたが初診時、本人自身は特に姿勢や体の状態に関心はなかったが

治療後に体の状態が良くなったことで、治療に通うことを決めた。

治療後は一時的に改善するものの、朝起きると元に戻ることが続いた。

大腿四頭筋の筋力検査で右側が左側よりも弱く、脛骨が後方に転移しているのを確認。右肩が上がる平行四辺形型で、立位で体幹の屈曲進展時に右膝が過度に進展する状態。仰臥位で右膝を進展させる際、脛骨を前方に誘導すると屈伸が楽になることが分かったので生活背景を聞くと、ほとんど座位で生活しているとのことだった。

施術内容/経過

身体全体のバランスを整えるために全身の施術を行いながら膝窩筋に対してのアプローチを施していく。

自宅でのセルフケアとして右大腿四頭筋のリセトレと右大腿後面の筋肉の緊張を取るための内側ハムの起始停止テクニックを指導

1ヶ月後: 朝起きると症状が戻るものの、日中の治療後は改善する状態が続く。

3ヶ月後: 筋肉痛が起きるが、症状はかなり軽減される。重心の位置に気をつけながらリセトレを継続。

現在は初診時の完全屈曲時の痛みは消失したので戻りにくい状態を作るために治療を続け、さらに治療する過程で姿勢の維持の重要性を本人が理解したので美姿勢を目指して週2回の治療とトレーニングを行っている

まとめ

20代男性の右膝痛の治療事例。初診時は膝の裏に痛みがあり、過屈曲時にツッパリ感がありましたが、適切な治療とリセトレにより症状は消失した。現在も治療を続け、美しい姿勢を目指している。

用語解説

アライメント: 身体の姿勢や骨格の配列を指します。矢状面は側面から見た姿勢、前額面は正面から見た姿勢を指す。

リセトレ: 再調整トレーニングの略で、筋肉や関節の機能を改善するためのトレーニングを指す。

半腱様筋・半膜様筋: ハムストリングスと呼ばれる大腿後面の筋肉群の一部。