膝関節完全伸展の痛み：セルフケアでの改善例

年代/性別/職業

 60代 / 男性 / 営業職で歩くことが多い

初診時の状態

安静時: 痛みなし、熱感・腫脹: なし

運動時: 痛みあり

具体的な症状としては階段の降り時の痛み、膝関節完全伸展時の違和感（外れる感じ）、完全屈曲（しゃがむ時）の痛み

見立て/治療計画

筋力検査結果:右内側広筋、右大腿直筋、左中臀筋の弱化、右ハムストリングの緊張が著しくみられた。

アライメント:スウェイバック、左肩/左骨盤上がり平行四辺形

筋力検査とアライメントから常時膝関節が軽度屈曲位になり、不安定な状態が続くことから、膝関節内側部に痛みが出ていたと推測。これは関節包、内側広筋と縫工筋の癒着などの軟部組織への負担によるものと判断

施術内容/経過

1〜2ヶ月目:腰下で膝周囲の治療を中心に行い内側の膝の癒着を剥がすためにリリースを実施、左中臀筋、PNF

施術中と自宅でもできるようにセットアップ3〜5セットを行う

膝関節の伸展可動域が増加し、痛みスケール（PS）が6まで低下。膝関節の不安定感が軽減し、歩行が楽に

3〜4ヶ月目:腰下で膝周囲の治療を中心に行い内側の膝の癒着を剥がすためにリリースを引き続き実施しながら操体法にて膝窩筋へのアプローチをいれていく

セットアップも継続しながらレッグプレスも導入

PSが1.2まで低下し、正座が可能なくらい完全屈曲、階段の上り下りも不自由なく可能

最初の1〜2ヶ月は週2回での来院にし、症状の緩和が見られ、持続可能が見えてきた際に週1回のペースに落としていった

まとめ

膝関節の伸展制限を解消することで、膝関節の安定と痛みの軽減に繋がった。この改善には、治療に加えて機能不全となっている筋肉のトレーニングが大きなポイントとなり、定期的なメンテナンスと適切なトレーニングが、長期的な健康維持に重要。