右梨状筋の痛みの改善:50代女性の治療体験
患者プロフィール
- 年代:50代
- 性別:女性
初診時の状態
右梨状筋に張るような痛みがあり、特にテニスの運動後やデスクワーク、趣味の麻雀で長時間座り続けると痛みが強くなる状態でした。
見立てと治療計画
患者さんは反り腰が非常に強く、右骨盤が上がっているため、右腰方形筋が短縮していました。また、右中臀筋の弱化から右骨盤が引っ張られ、重心が右に乗りやすくなっていました。その結果、小臀筋や大腿筋膜張筋が過緊張し、その拮抗筋である梨状筋にも影響が出ていると見立てました。
治療計画としては、まず反り腰を改善し、梨状筋やその周辺の筋肉を緩めることを目指しました。さらに、体幹と臀筋の強化を行い、全体的なアライメントの改善を図りました。
施術内容と経過
初回の施術では、腰下の調整、梨状筋、小臀筋、大腿筋膜張筋のリリースを行い、脊椎矯正(A)とストレッチ(S)を実施しました。
1ヶ月目:運動後の痛みが軽減し、痛みの程度(PS)は3〜2に減少しました。
2ヶ月目:仕事が多忙で来院頻度が低下し、座位での時間が長くなったことで痛みが悪化し、痛みの程度(PS)は7くらいになりました。
3ヶ月目:楽トレ(EMSトレーニング)で体幹や臀筋にアプローチすることで痛みが軽減し、状態が良好になりました。
4ヶ月目:現在はリセットトレーニングも取り入れながら、アライメントの改善をメインに治療中です。患者さんのニーズに応じて痩せたいという希望もあり、楽トレの買い足しを検討中です。矯正前の前屈では元々床に手がつかなかったが、今では矯正前でも手がつくほど変化が見られています。
まとめ
この症例から、梨状筋の痛みが適切な治療とトレーニングによって大幅に改善できることがわかります。最初は主訴の治療に重点を置いていましたが、拮抗筋へのアプローチを行うことで、術後の状態が安定し、痛みの改善が見られました。体幹と臀筋の強化が重要であり、患者さん自身も自宅でのトレーニングを継続することで、長期的な改善が期待できます。
治療とトレーニングの継続により、日常生活における痛みや不快感が大幅に軽減され、健康な生活を取り戻すことができました。患者さんが指導を守り、継続してトレーニングを行うことで、再発を防ぐことができます。