児童期から続く頭痛:20代後半男性の克服症例

2024.09.03

年代/性別/職業

28歳/男性/デスクワーク

初診時の状態

毎日頭痛薬を服用するほどの頭痛に悩まされて来院。

小学校高学年の頃から頭痛が続いており、他の整体や病院にも行ったが改善が見られずに異常もなかったために諦めていた。

見立て/治療計画

STEP1:頭痛の種類の鑑別

・頭痛の出る範囲:前頭部〜側頭部

・痛みの種類:多くはズキンズキンと脈打つ痛み、たまに締め付けられるような痛みでごく稀に吐き気に襲われる

・頻度:ほぼ毎日、高頻度で現れる

・頭痛持続時間:長時間

上記のことから緊張型頭痛がメインで出ており、たまに片頭痛が起きていると推測

STEP2:緊張型頭痛の特徴

首肩のこり(特に後頭下筋群、斜角筋、胸鎖乳突筋)の硬さを確認

ここに関しては確実にどれを押圧しても硬いがトリダーポイントを押した時に1番関連痛が出ていたのが後頭下筋だったのでメインで頭痛を起こしている筋肉が後頭下筋トリガーポイントだと推測。

STEP3:首肩の筋肉に負荷がかかりやすい骨格かどうかを確認

かなりの強めの猫背+巻肩+ストレートネックがみられ、この骨格から首まわりの筋肉が過度なストレスを受けていることを推測

頭痛の直接的な原因になっている可能性の高い後頭下筋のトリガーポイントの活性度低下を促し、同時に緊張を生みやすい骨格に対しては矯正を行い、首周囲の筋肉にストレスがかからないようにする。

普段の仕事などの姿勢に対する無理のない可能な範囲でのADL指導。

施術内容/経過

頭痛の頻度が毎日というレベルだったので週2回の来院をすすめる。

後頭下筋長押しをメインに行い、当グループの施術と筋膜ストレッチを実行しインナーマッスルの強化をいれた

1ヶ月目:強い症状は減ったが症状はほぼ不変

2ヶ月目:僅かに頭痛の頻度と痛みレベルは減少したが薬を服用する頻度は不変

3ヶ月目:頭痛の頻度と痛みレベルがかなり減少し何年か振りに薬の服用も1週間なしでも過ごせた

4ヶ月目:薬の服用がほぼない状態が続き、頭痛が消失

まとめ

頭痛には一次性、二次性頭痛があり二次性の可能性を排除したとしても一次性の中での鑑別はかなり重要と考える。

その種類の特徴から原因となるような筋肉や症状を見極めて、当グループでの治療は有効なのかを判断しないといけない。

病院にて異常なしと診断されたから頭痛=首肩のこりと大雑把に分類するのではなく、その中で該当する関連痛等を当てはめていき本当に施術で改善するのかを判断することが大事だと学んだ。

用語解説

・一次性頭痛:頭痛そのものが病気である頭痛。

「頭痛持ちの頭痛」と呼ばれ、偏頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛のように繰り返し起こる

・二次性頭痛:脳や他の疾患が原因となって起こる頭痛。

くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など命に関わる頭痛も含まれる