右肩の痛みと可動域制限の改善:20代男性シェフの治療体験

2024.09.03

患者プロフィール

  • 年代:20代
  • 性別:男性
  • 職業:イタリアンシェフ

初診時の状態

  • 主訴:右僧帽筋上部と右小円筋の痛み。普段はだるさを感じ、腕を上げると痛みが強くなる。
  • 観察結果
    • 挙上すると上腕が90°ぐらいの時点で可動域(ROM)制限と痛みが発生。
    • 右肩が上がっており、肩甲骨が外転している。
    • ヘッドフォワード姿勢(頭が前に出た姿勢)が強めに見られる。

見立て/治療計画

  • 分析
    • 猫背と骨盤前傾によりヘッドフォワードと肩甲骨の外転位が発生。
    • 右肩の上がりによって僧帽筋上部と小円筋が短縮し、第二肩関節が伸長不全を起こしているため、挙上制限があり、僧帽筋で腕を上げるようになっていると考えられる。
  • 治療計画
    • 第2肩関節の可動域(ROM)を改善するために、肩甲下筋と前鋸筋を緩める。
    • アライメント(姿勢)を改善し、再発を防ぐ。

施術内容と経過

  • 施術内容
    • A(アジャストメント):骨格を整える調整。
    • S(ストレッチ):筋肉の柔軟性を高めるストレッチ。
    • 右肩の筋緊張の調整:肩のバランスを整えるための矯正。
  • 経過
    • 1回目:悪かった頸部の伸展(後ろに伸ばす動き)が改善。
    • 6回目:肩の外転が130°程度に改善。
    • 9回目:痛みが消失。左右の可動域制限は若干残る。
    • 13回目:可動域制限も改善し、正常な状態に近づく。

まとめ

肩の症状や可動域制限がある場合、一概に「四十肩」や「肩の筋緊張の調整」を行うだけでは不十分です。個々の症状や原因を詳細に分析し、重点的に治療する部分を特定することが重要です。このケースでは、猫背や骨盤前傾といった姿勢の問題が右肩の痛みと可動域制限の原因となっていました。適切なアプローチで肩甲下筋や前鋸筋を緩め、姿勢を改善することで、痛みが消失し、可動域が回復しました。患者さんの生活習慣や姿勢に合わせた治療が、効果的な結果をもたらすことを再確認しました。