右肩峰下滑液包の痛みと尺骨神経領域の痺れ:40代女性の治療体験

2024.09.03

患者プロフィール

  • 年代:40代
  • 性別:女性
  • 職業:デスクワーク

初診時の状態

右肩峰下滑液包の痛みと尺骨神経領域の痺れがあり、可動域(ROM)が低下している状態でした。

見立てと治療計画

患者さんは肩甲骨の腱板周辺の筋緊張が強く、そのため滑液包内の圧力が上昇していました。また、肘を屈曲した状態が楽であるため、長時間肘を屈曲させてしまい、肘部管が絞扼されてしまっていました。これにより、尺骨神経領域の痺れが生じていました。

治療計画としては、まず肩甲骨の筋緊張を改善し、滑液包内圧を軽減することを目指しました。さらに、肘部管の絞扼を緩和し、尺骨神経の圧迫を解消することを目標にしました。

施術内容と経過

初回の施術では、右肩のトリガーポイント治療、右菱形筋の起始停止、右僧帽筋下部の起始停止、前鋸筋のリリースを行いました。

1ヶ月目:なかなか痛みの程度(PS)が9から下がらず、肩甲骨の筋緊張と右肩の上がりを改善するために、起始停止のテクニックを追加しました。その結果、筋肉が動きやすくなり、痛みの程度がPS5まで減少しました。

2ヶ月目:安静時の痛みがなくなったため、マワヒネリキ療法(肩甲骨のモビリティエクササイズ)を取り入れ、痛みの程度がPS2まで減少しました。

3ヶ月目以降:現在は、可動域の向上を目標に治療を進めています。

施術内容

  • 右肩のトリガーポイント治療
  • 右菱形筋の起始停止テクニック
  • 右僧帽筋下部の起始停止テクニック
  • 前鋸筋のリリース
  • マワヒネリキ療法(肩甲骨のモビリティエクササイズ)

まとめ

この症例から、肩甲骨の筋緊張や肘部管の絞扼が適切な治療によって大幅に改善できることがわかります。特に、起始停止テクニックを取り入れることで、筋肉が動きやすくなり、痛みの程度が大幅に減少しました。さらに、肩甲骨のモビリティエクササイズを取り入れることで、可動域の向上が見られました。

患者さん自身が指導を守り、継続してトレーニングを行うことで、長期的な改善が期待できます。今回のケースでは、治療とトレーニングの継続により、日常生活における痛みや不快感が大幅に軽減され、健康な生活を取り戻すことができました。今後も可動域の向上を目指して治療を続けていきます。